ハッピー・バースデー MV

2014.12.06 12:24

「ハッピー・バースデー」という曲のMVを制作しました。FRENZ 2014出展作です。毎年FRENZはプライベートワークで何か挑戦をと思ってるのですが、今年は思い切ってドラマに挑んでみました。

楽曲はSHAKA DRIVER、もとい作曲者ヒゲドライバーさんとボーカルの新社会人さんのユニットです。歌詞がとっても好きで実は去年から作ろうと思っておりました。マイティボンジャック EPという同人CD収録曲なのですが、ご好意で公開OKを頂けました。ありがたい限りです。ちなみにアルバム最後の曲で、通して聞くとまた一層深みが出るのでおすすめです。もう入手は難しいかもですが…。

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さて背景について書こうと思います。ざっくり書いてしまうと、主人公は別れてしまった女性の誕生日を覚えていて、当日その人を思い出しながら一人遠くで祝福する、という流れになってます。そんな通知なくても覚えてるよ!という。「ハッピー・バースデー」のありがたみはSNSの誕生日通知によって著しく小さくなってしまったと個人的に思うのですが、届かない祝福も多いんだろうなぁなんて思いながら作ってました。

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内面的な話をしていくと、「絵」と「電車」がそれぞれ「思い出」と「人生」のモチーフになっています。「絵」については技術的な話にもつながるのですが、思い出は人それぞれだったり美化されたりするもので、アルバムに並んだ写真よりも壁に飾った絵に近いんじゃないかという発想から全体的に手描き調になってます。冒頭の「額に飾った絵を眺める」のは「懐古」という行為そのものにあたります。

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「電車」 はもちろん通勤風景でもありますが、青い線の電車が男性の、黄色い線が女性の人生にそれぞれなぞらえてあります。「あの星々が回るようにキミも回ってここに来た」とは1番のサビですが、電車がそれぞれ太陽の周りを一周して、一年に一回「ハッピー・バースデー」ですね

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細かいところでは路線図もそれに沿っていて、青と黄色が出会って別れて、みたいになってます。

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特に中盤の回想の シーンはこの2つのモチーフを意識しています。セピアな「絵」ということで思い出が強調されつつ、電車が進んでいくうちに徐々に時間が経っているのが伝わるでしょうか。ちなみに上のシーンはサムネイルにもなっていますが、鉛筆画の感じが一番うまくいったなと思ってます。

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回想の後半に主人公が電車の進行方向と逆に進みながら女性を探しているのですが、昔に戻りたいという心情を込めてあります。それでも電車は進んでしまうわけですが。

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最後に冒頭と同じ絵を女性が眺めているシーンは、同じようなことを女性の方も思い出していたら素敵だなぁ、悲しいけどそうあって欲しいなぁという、懐古を肯定したいという希望を込めたシーンでもあります。すれ違いというか、ストーリー的な現実味というのは重視しました。またこれはオマケでもありますが、椅子の色も青と黄色で男女が対称的になってます。こうしてみると額が列車のようにも見えますね。

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技術の話もちょこっと。おわかりの方も多いと思いますが、鉛筆画のような背景はキャラクター以外は3DCGで作っています。Cinema4DのSketch&Toonという機能を用いて線画の出力をするのですが、特に線の歪みやかすれ具合、はみ出し方を詰めるとかなり手描きに近づけます。ちなみにキャラクターはPhotoshopで頑張りました。くっそー可愛くねぇーとかぶつぶつ言いながら頑張りました。

それでは年に一度でもまた見て頂ければ幸いです。

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